ある日、いつの間にか迷い込んでいた深い深い森。
出口を探して彷徨う内、“貴方”は不思議な語り部に出会います。
「帰り道を教えてあげるから、代わりに物語を聴いていってくれないか」
“貴方”が頷くと——
森の木々に抱かれた、まるで精霊のような出で立ちの語り部は、微笑みました。
楽器が爪弾かれ、吟唱が始まります。
そして気が付くと、“貴方”は全く別の人間の目で、
全く見知らぬ世界を眺めていました。

風に乗り、遠くから、語り部の囁きが聴こえます。


「君をずっと待っていたんだ」

「久しぶりだね。ううん、初めまして、か」


「初めまして。そして、僕らの世界へようこそ」



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