「ねえねえ、どうして泣いているの?」

森の奥。
あたしだけが知っている秘密の場所。
膝を抱えて泣いていたら、
突然、優しい笑い声。
顔を上げたら、
あたしと同じ桃色の髪。
朝焼けみたいなショールを頭に被った、不思議なお姉さんが、
隣に座って、ハンカチを差し出してくれていた。
見たこともない人だった。

物覚えが悪くて、怒られてばかりのあたしを、
彼女は優しく慰めて、笑わせてくれた。

ねえ、じゃあ、あなたの得意なことはなあに?

目をくるくるさせて彼女が尋ねた言葉。
あたし、あたしが得意なのは、好きなのは、

「…絵を描くこと」

一言ぽつりと呟くと、彼女は満面の笑顔を浮かべ、
なにか描いてみせてよとせがんだ。
あたしよりずっと年上のお姉さんなのに、小さな子供みたいに頬を赤くして。
差し出された紙と鉛筆で、彼女の笑顔を描いたら、
本当に、こっちが恥ずかしくなるくらい大喜びして。
お礼に、と言って、囁いた。

「ねえ、ピエタ。
 もっと色んなものを描いてみたい?」

「いいこと、教えてあげる。
 もうすぐね。宇宙から、星の船がやってくるよ」



今思えば、もしかしたら、彼女は。
……女神様だったんじゃないだろうか。
1週間後。
シスター・マザーが告げた言葉。
女神様からお告げがありました。
明日、この星に、宇宙からの同胞が訪れます。
彼らは旅の途上。私たちも力を貸さなければいけません。
彼らと共に行くべき、五人の名は、