惑星コロニオン星域
争いを流れる血潮が叫ぶ
招かれざる客に宛て
通信文は牙を向いた

撃ち落された蒼い鳥(AzureRecord)
沈黙の暗闇に砕け散る
星人種間の軋轢呻き
平和と理想を盾に捧げ


「——ワレワレは貴殿らの星域を侵略しようなどとは思っていない!」
「この箱舟の名はメタモアーク、文明と希望の箱舟」
「決して貴殿らの考えているような、宇宙空間軍母船などではないのだ!」
「ワレワレの目的は、メテオス星域に到達し、メテオの脅威から全ての星を、」

『お言葉を返すようで恐縮だが、異星人の皆様方』
『言語の壁を戦車のように破壊し、』
『我ら気高きコロニオン星域の姿をまるごと写し取る脅威のステルス能力、』
『惑星一つ砕き得るメテオ打ち上げ軍備に、加えて防衛用と仰られた惑星砲の数々!』
『これらを見て、何をどう信じろと仰られるのか!』

「…貴殿らの星域にもメテオ襲来があったはずだ! ならば知っているはず!」
「メテオの脅威がいかほどか、それに対抗するにはいかほどの力を注げば良いか!」
「ワレワレも同じくメテオ襲来を受けた文明、ワレワレは——」

『…話にならないようですな。私達が言いたいのはただひとつです』
『出て行け。さもなくば、攻撃を開始する』


「——っ」
「外交官、代われ。埒があかない」
「ラズリー船長、」
「失礼致しました。お話、よく分かりました」
「では、私達が何を代償とすれば、通行を許して頂けますか?」

Lazri: Typing
(尚、戦闘が避けられない場合には)
(メテオ打ち上げによる封殺を許可する)



慣れきった問答の溜息が
電波の背を抉り
滲む微笑は握手の為に
差し出されるは左腕
示されたのは



『…失礼、言い忘れておりました』
『僭越ながら、船長殿、』
『蒼い角を持つ異星人を』
『我らは以前から知っているのですが』


氷の牢獄に時を奪われ
眠り続ける
希望の船

十字を刻む剣の天蓋
囚われた姫は蒼い船
電波の魅せる映像に歪む
彼らの寝顔は
彼女の名前は

エスペラント


悪夢の開演ファンファーレ
クルー達は立ち尽くす
凍りつくかつての面差しに
下された命令は翻り


「…メテオ打ち上げを行わない?」
「どうしてですか、だって、彼らとの戦闘は避けられないから、」
「今回も打ち上げを許可するって——」


時を止めた人質に
突きつけられた選択に
剣の主は悠然と

「もしも、貴方たちが本当にメテオス討伐の為だけの船だというのなら」
「監視など何の問題でもなかろうに」
「もしも真実メテオスを打ち倒し、帰還されることがあるならば、」
「その時改めて、彼らをお返ししようではありませんか」






(MetamoArkCrew: No.27712 Astronomer / Pascal. Iolite)
(MotherPlanet is Geolite)
(Father: Fabien. Iolite / Mother: Jerusha. Iolite)
(A note: His father was crew of the Espelant, probably he died at the age of 28)

泣いていた幼子はいつしか
眠っていたんだ
まるで死のように
目を覚ます
目を見開く
映し出された映像に
青年は少年に
言葉は絶叫に

電子の妖精が宙を駆ける
弾幕層を掻い潜り
彼の元に届けられた
眠れる姫の記憶に沈む
氷に閉ざされた一本の論文


『メテオ到達惑星における一つの共通言語と交感性に関して』