暗いくらくら夜の底
うずくまり遠くおぼれた僕に
深海に降り積もる雪に宛て
君は星をぶちまけた

ガラスの窓に星の歌
ビルの明かりは天の川
一等星は神様の蝋燭
そして光年の彼方には
もうひとりの僕らの世界

白い小部屋を宇宙に変えよう
流れ星の代わりのように
冷たいガラスの天球儀
二人でやっと支えるような
大きな大きな星の本

銀河惑星天の川
機械の夢見た不思議な写真に
君は口ずさむ星の歌
「もうひとりの僕らの世界」


何処へいこうか
何処にもいけない君は言う
危うい足取り軽やかに
星空の海を綱渡り
待ちぼうけの僕は手を振って
きっと後から行くからと
落としてしまった手紙の返事を
探さなくちゃいけないから


流星群の夜に僕らは
ガラスの窓に張り付いて
あんなにあんなに探したのに
願いをかなえる流れ星
星に願いを

星に願いを


探していた手紙の返事は
もう僕には聞こえないんだ
やっと気がついたときには君は
光年彼方の遥か遥か
君ならきっと聞こえたのかな
僕の知らない星の言葉も
僕の知らない僕の言葉も

風さえ知らない白闇の
小さな小さな病室で
遠い瞳に口ずさむ
遠い遠い光年彼方
惑星と宇宙の産声を
君の鼓膜は知っていた