「メタモアーク甲板に、メテオによる人為的な攻撃を感知」
「至急、ランチャーは打ち上げ場に集合せよ」
「繰り返す、至急、ランチャーは打ち上げ場に……」
(Ai ancnto eaktti nya roem)
(Og ywaa, Og ywaa, Og ywaa,)
(Ywh odnto enyona pelh owsu!?)
思考も感情も押し流し
脳裏に広がる仮想空間
降り注ぐ流星を見上げ
茫漠と少女が
指先を振り上げたとき
『つかまえた』
——意識レベル急落
——神経接続強制遮断
——メテオ打ち上げフィールド再展開
——Launcher変更 Ding.sixty Mother planet is Mex
——Ready
——対象確定、Launcher Aster.
——サルベージ開始
——意識信号無し、脳波反応無し、心拍数微弱、……
宇宙空間に取り残され
ひとりきり
呆然と立ち尽くす少女の目の前に
淡い光が幻影を…
『お姉さん、こんなところで何やってるの?』
幻想は鏡に
鏡は幻想に
微笑みは優しく
指先は頬に冷たく
現れた自分は問いかける
『あなたはだぁれ?』
……夢がはじまる
幻影は夢を映し
夢は幻影に代わり
幻影に実体が刻まれ……
(Aster, odyuo reah em?)
砕ける軋む
星の絶叫が鼓膜を破る
五感の全てを伴って
幻影の星が砕け散る
(Ywh odnto eivg inem rouysoiv!?)
はじまりは
美しい洞窟の星
水晶の瞬きは慟哭に
紫の雲を駆け巡る
美しい蜘蛛が血を吹いて
重力の歪みに耐え切れず
鋼鉄の空が落ちてゆく
碧の新星は渦を巻き
瞬きに全ては原子へ還り
ワルツを踊る双子の月が
互いに足を踏み外す
ほらほらほら 聴こえ始めた
全ての星の絶叫が
砕けた星の絶叫が
目まぐるしい夢の濁流はやがて
知らないはずの
電子の空が罅割れる
泡の海原は弾け散る
積乱雲の絶唱は途絶え
光る大気が闇に消え
断末魔の
「Odnto Neistl!!」
『ねえ、ねえ、あなたはだぁれ?』
「Ai...Ai, Ai, ama Aster, ama Sabon, Stla rusrvoiv,...」
『うそはだめだよ』
『あなたはだぁれ?』
「Neo, Ne......違う…嘘じゃない…嘘じゃない、」
「私はアスター、アスターなの、アスターになったの!!」
夢と幻影に溺れながら
消えた翅で必死に羽ばたき
水面へ立ち昇る泡のように
束の間に
見えたのは…
(…笑った)
(笑った、みんな、アスターが笑ったよ!)
(なぁんだぁ、暗い子かと思ってたけど、)
(笑ったらこんなに可愛いんじゃない)
(ほら、ワガハイの言ったとおりだったのだ!)
(ちょっとメテオ打ち上げが上手すぎるからって、)
(みんなして怖がってちゃぁアスターも寂しいに決まってるのだ)
(はいはい、うん、わかったわかった)
(そうですね、よかったですね)
(ちょっ、なんでワガハイこんな総スカン…!)
(いや、あまりにドヤァって感じだったからつい)
(そんなこと言わないでほしいのだ…)
(おいおーい、パスカル、アスターに笑われてるぜえ?)
(ええええっ、アスター、ひどいのだぁああ!!)
花の香り
笛の音
手拍子と
歌声と
笑い声が……
(じゃあ今日も、各々仕事終わったら12番ラウンジね!)
(よっしゃーなのだ! 今日こそUNO連敗記録の更新をストップさせてやるのだ!!)
(そこは宇宙新記録目指そうぜーパスカルー)
(じょ、冗談じゃねぇのだ! だいたいなんでワガハイこんなに負け…)
(僕が思うに、顔に出すぎてるんだと思うなぁ)
(あ、あー、皆さんそれくらいにしてあげましょうよ、)
(ほら、パスカルさんもテーブルに突っ伏してないで早く行かなきゃ遅刻しますよー)
『…ああ、そうか、わかった』
『おねえさんは、』
微笑む笑顔が
弾けて消えて
ゼロ階層の綴る 全ての原始段階へ
何処までも美しい宇宙を
何処までも落ちてゆきながら
やがて
彼方に迎える
あの
金色の瞳
は