額に角を授かりて
埋めよ増やせよ高らかに
謳える血潮の定めを逃れ
人と人との営みの中
浮いた中空から連綿と
人々を見守る守り神
「マリー! マリー、おはよーっ!」
「おはよう、魔女さま! 今日も可愛いね!」
「魔女さん!今日はあっちの島で野球大会あるってさ!あとで応援来てよ!」
人々から愛される代わりに
宙に留まる魔女の孤独を
その血潮は引き受ける
「今日もいい天気だねえ」
「どしたの、魔女さん。によによして」
「ん? んん、今日は面白い夢を見たんだよ」
「なになに?」「なになにー?」
「宇宙船がやってきてね、空にすごく大きい星が浮かんでいるんだ」
「なにそれ! フロリアスとかスターリアに行く船じゃなくて?違うの?」
「いやあ、もっとずうっと大きかったなあ。で、その宇宙人たちがこう言うんだ」
「なんてー?」
「お友達になりましょう、ってさ」
「…魔女様。大丈夫かい?貧血、なってないかい?」
「やだなあ、ボクが貧血になっちゃったら、大変だろ? 大丈夫、ちゃんと食べてるよ」
「そう…そりゃ良かったが。ほら、もうすぐ月泣きの日だからさ」
「わかってるわかってる。大丈夫だよ、ボクは、メガドームの魔女だもの」