すきとおりすきとおり何も見えないまでに
例えば冬の星空のような
恐ろしく澄んだ虚空の声を

すきとおっているということは
ただ何もないという他に
何か意味を授けることが
地下にしんしんと消えた湖には
夢見ることが出来たでしょうか?


ひとの生きるその吐息の中の
鼓動をざわざわと騒がせる
喜びや愛や憎しみの匂いを
すくいあげては
蒸留し
澄みきった透明に変わるまで

たとえ生きることも死ぬことも
出来なくなってしまったとしても
その星を抱いた冷たい虚空は
いま一人きり歌いながら
こんなにもこんなにも安らかです

誰も思わず思われず
何も望まず望まれず
冷たく時を止めながら
透明になったその声は
こんなにもこんなにも安らかです