エピローグ 1000年前の物語・・
スタース・・星神は、そうして一つの奇跡を起こした。
勇者たちは、それからもずっと一緒に暮らした。
時には冒険に出たり、星々の国を訪ねたり。
都を少しずつ直しながら、ずっとその地で暮らしたという・・。
「・・はい、これでめでたしめでたし、というわけさ」
「すっ・・スッゲーーー!!オレ、めちゃくちゃ感動したぜっ!」
「チッ、チビッ!そんなに身を乗り出したら川に落ちるわよっ!」
「平気だって、クリスチーヌ!
すっげーっ、こんなことがあったのか・・カッコイイ!!
あ、そういえば!」
くりん、とチビがビビアンを振り返る。
「ビビアン、さりげなく伝説の登場人物だったんだなぁ!
なぁなぁ、勇者たちってどんな顔してた?」
「アッ・・アタイ、本当に何も覚えてないんだけど・・;
・・今度帰ったら、お姉さまに聞いてみるわ」
1000年の時が流れた、マリオ達の住む世界。
先日、カゲの女王を封印した彼らは、その後、テイルワースに
「聞かせたい伝説があるから」と、招待された。・・屋根の上に。
「・・それにしても、随分今までと伝説の内容が違う気がするのだが?」
「あっ、それ私も聞こうとしてた」
「俺も同じく」
こっちを向いたバレル・クリスチーヌ・マリオの問いかけを受けて、
テイルワースが口を開く。
「・・・いや、実は、この間しばらく旅に出ていたんだ。
そこで・・」
とある町の、ふらりと立ち寄った小さな図書館で。
ずいぶんと古ぼけた、一冊の本を見つけたのだという。
手にとってみると、裏表紙に1000年前の言語で、
なにか言葉が書いてあったので、気になって譲り受けた。
宿屋に戻って本を開き、仰天した。
そこには、1000年前の物語が・・。
先祖達が旅の最中に聞いた話をつなげた物語ではなく、
1000年前の者によって書かれた伝説が、書き込まれていた・・。
「君たちは、この伝説が好きだったろう?
聞かせてあげようと思って、招待したわけさ」
あの伝説は、テイルワースの祖先が、放浪の旅の途中で聞いた話を、
ひとつの吟遊詩人の物語として残したものだ、といわれていた。
ただ、勇者たちは、自分たちの旅の多くは語らなかった。
その戦いを見た者が残した伝説や、風の噂で流れた切れ切れの伝説をまとめたものが、
以前聞かせた1000年前の物語なのだ、という。
「まぁ、本当かどうかは分からないけれど。
とにかく、全文を読んでみたいと思ってね。
少しずつ訳を進めていって、先日とうとう訳し終わったのさ。
・・ただ、一番最後の裏表紙の言葉だけは、書き崩されていて分からなかった」
「どんな感じの?もしかしたら、私、読めるかもしれないわ」
そう言いながら、クリスチーヌが辞書をとりだす。
「ここに本があるんだが・・、・・これだよ」
「どれどれ・・?」
クリスチーヌの虫眼鏡に、全員の注目が集まる。
「ええと・・。
『旅先で知り合えた、我が友たちの物語を、ここに記す。
時をこえ、この物語が受け継がれてゆくように・・。
・・Tale・raiiles・・』
なにかしら、最後の署名だけ読めない・・名前、だと思うけど。
・・なんとか・レイワール、かしら。
なんか、いくつかの言語を組み合わせた名前みたい。
この本を書いた人は、きっと1000年前の勇者たちの友達ね」
「そっかぁ・・。あー、オレもその人たちに会いたかったなー・・。
かっこいーじゃん、魔法でどかーん!!とか」
「チビ・・;」
その時、下から声がかかった。
「おぉーい!!大変じゃっ!
あの・・ゴロツキ伝説の、新しい古文書を見つけたぞーっ!
しかも、なんと・・!」
その後の言葉に、全員、異口同音。
「え——————っ!?」
少し春の近づいた、澄み渡った空に、声は広がっていった。
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あれから、ずいぶんたって。
オイラ達は、もう一度冒険の旅に出ることになった。
・・シェンスの本職、宝探しにね。
今度は、どんなことが待っているのか、分からないけれど。
きっと、おもしろいことが待ってるような気がするんだ。
大空が、続いてゆく限り。
「フィール、行くぜーっ!」
「あっ、待って、今行くよ、シェンス!
カーレッジ、行こっ!」
「ああ!」
胸元の、スターペンダントを揺らして。
さぁ、出かけよう。新しい、冒険の旅に。
空の彼方の星空は、今日も変わらず、輝いている。
2005.3.29 PM6:15 〜END〜