それは遠い昔の出来事
神話に繋がる伝承の記憶
星の箱舟が舞い降りた
涙の時代の物語……


運命の綻び
涙の洪水
願いを駆ける流星雨

水底で微かに煌いた
小さな星座の箱舟は
捩れた運命に抗って
歪んでしまった織絵巻に
新しい結末を歌い往く


柔らかに
穏やかに
星の海を渡り
オリーブの小枝を嘴に携え
母なる星へ
愛しい故郷へと
帰還の旅を巡りながら

宇宙を流れる星の涙は
悪い夢から解き放たれて
ひとつに寄り添い
新しい夢を見る

傷ついた宇宙に
新しい星を
新しい歌を
新しい夢を


砕かれた星は時を戻して
砕かれた夢は魂を与えて
涙が傷を癒すように
時を掛けて
少しずつ

現在へ繋がる
物語







それは遠い昔の出来事
彼方に紡がれた私の記憶
星の箱舟と共に旅した
彼らを歌う物語……


伝承歌は真実を
小説は現実を
物語は願いを
御伽噺は夢を見る

遠き彼方で泣いていた
愛しい私の友人が
今は安らかに夢を見て
星空に包まれて在るように

彼女の生んだ星々は
今も尚 連綿と輝き
数多の生命を抱きしめて

私は歌う
彼女の夢を
彼女の記憶を
時を越えて

凍えた彼女の魂に
星の声を
暖かな星の歌を
呼び戻した
彼のことも